生活臭

デンマークに留学していた僕の徒然なる生活臭。帰国後も誰に頼まれた訳でもなく毒にも薬にもならないことを書きます。

こんなじゃじゃ馬扱えねーよ。

 

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某月某日

 

どんなに努力しても自分の力ではコントロールできないものが、この世には好きな子の気持ち以外にもまだある。そう、急な便意である。英語では車をSheとか言うから以下からは便意を彼女と呼ぶ。

 

彼女とは生来付き合いが長く、世間的には幼馴染とか言うのだろうが、事あるごとに僕を苦しめてきた。よく友人に僕の遅刻を咎められるのだが、これは彼女のせいである、と言い切らせてほしい。朝早く起きて、絶対に間に合うであろうバスに乗ろうとする。すると家を出る直前に彼女は僕のお尻にストップをかける。「ギュルギュルギュルギュルー。」数分後、バスのお尻を眺めている僕がいる。

 

そうかと思い、集合場所の近くのカフェで30分前から読書をして友人を待つ。ちょうどいい時間になり「いざゆかん」と勇んで席をたつとまた、彼女が甘い顔をしながら僕を御決まりのビートで苦しめる。数分後、プンスカスタスタ歩く友人のお尻に平謝りな僕がいる。

 

このくらいなら、かまってちゃんの彼女の行動も可愛いもんだとまだ許せる。しかし某日、屈辱的な出来事があった。これだけは許せない。それは、風呂に浸かっている最中に彼女が現れた時のことだった。これが本当の女の子とかだったら鼻の下も3メートルは伸びると思うが、何しろ便意である。僕は風呂から飛び出し、素っ裸で籠り始める。禊を行ったばかりの僕に、これ以上の屈辱が果たしてあるだろうか。

 

風呂に浸かった後のこの屈辱、誰か他にも味わったことがないかとググってみると、某知恵袋には同じ悩みを抱えた同志たちが集っていた。しかし、誰もこの現象の名前を知らない。そこで調査を続けると、なんと「書店に寄ると便意がこみ上げてくる現象」に名前がついていた。そう、「青木まりこ」現象である。これは一般人の青木まりこなる女性の投書への反響が大きかったことから彼女の名前がなぜかそのまま使われたことに由来する。ちなみに、現象の名前がつく以前にもこの話題がメディアに上がったことは存外多く、この時期のことを「青木まりこ以前」と呼ぶらしい。物々しい。

 

さて彼女は、風呂上がりの便意である。名前はまだない。漱石チックにそのまま風呂上がりの便意と名付けてもいいが、ここは自分の名前をとってこう言わせてほしい。「白井もりたか現象」と。当然、僕が名付ける前の時代は、「白井もりたか以前」となる。

 

そろそろこのだらだらとした話に結論を加えたかったのだが、タイムアップだ。彼女が僕を呼んでいる。やはり彼女には頭が上がらない。

 

 

こんなじゃじゃ馬扱えねーよ。